東洋医学が大切にする「体質」という考え方
西洋医学では「病気の治療」を中心に考えますが、東洋医学は 「体質を整えて不調を未然に防ぐ」 ことを重視します。
例えば同じ「頭痛」でも、原因が「血流の滞り」「ストレス」「冷え」と人によって異なるため、施術も変わってきます。
つまり、東洋医学では「症状を見るのではなく、人を見る」というのが基本です。
陰陽・五行からみる体のバランス
東洋医学の根本には「陰陽」と「五行」の考え方があります。
- 陰陽:活動(陽)と休息(陰)のバランス
- 五行:木・火・土・金・水の五つの要素で体の働きを分類
このバランスが崩れると、冷え・のぼせ・だるさ・不眠などの不調につながります。
鍼灸はツボを通じてこのバランスを整え、自然治癒力を高めるのです。
現代人に多い「体質タイプ」と改善のヒント
冷え体質
手足が冷たく、疲れやすいタイプ。
→ 三陰交(さんいんこう) のツボを刺激して血流を改善。
気虚(ききょ)タイプ
疲れやすく、風邪を引きやすいタイプ。
→ 足三里(あしさんり) を刺激して胃腸を元気にする。
気滞(きたい)タイプ
ストレスが溜まりやすく、イライラしやすいタイプ。
→ 太衝(たいしょう) を押して気の巡りを改善。
鍼灸でできる体質改善アプローチ
鍼灸院での施術は、その人の体質やライフスタイルに合わせて行われます。
- 鍼:滞った気血を動かし、緊張を緩和
- 灸:冷えを改善し、体を内側から温める
- 全身調整:症状だけでなく体全体を見てアプローチ
数回の施術で症状が軽くなることもありますが、体質改善は「継続」が大切です。
日常生活でできる体質改善習慣
鍼灸とあわせて、日常でのちょっとした工夫も体質改善に役立ちます。
- 冷たい飲み物を控え、温かい食事をとる
- 適度な運動やストレッチで巡りを良くする
- 睡眠リズムを整え、自律神経を安定させる
鍼灸で整えた体を生活習慣でキープすることが、健康を長く維持する秘訣です。
まとめ
東洋医学における鍼灸は、単なる「痛みを和らげる治療」ではなく、 体質を改善して不調を予防するケア です。
冷え・疲れ・ストレス・不眠など、現代人に多い症状は体質の乱れが関係していることも少なくありません。
「なんとなく調子が悪い」「病院では異常なしと言われたけどつらい」
そんな方にこそ、鍼灸と東洋医学の考え方を取り入れることで、新しい健康習慣が見えてきます。